【制作ノート】「28枚できました」——1バイトも新しくなかった日

同一の球が並ぶ=重複生成

ある日、画像の生成をまとめて走らせました。

しばらくして「28枚できました」と結果が返ってきます。

素材が増えた。そう思っていました。

でも、1枚も新しくなっていませんでした。

同じ絵を、もう一度焼いていた

原因は、自分で組んだ仕組みの中にありました。

画像を生成するとき、テーマごとに「種になる数値」を固定していました。
同じテーマなら同じ数値から始まる、という作りです。

そして使っている生成の仕組みは、同じ条件を与えれば必ず同じ絵を返します。
気まぐれではなく、決まった手順で計算しているからです。

つまり——同じテーマをもう一度投げると、前とまったく同じ絵が出てくる。

似た絵ではありません。1バイトも違わない、完全に同じファイルです。

確認したところ、16枚と12枚、合わせて28枚がすべて前回と一致していました。
その分の計算時間は、まるごと無駄になっていました。

しかも、前回の分はすでに検品も済み、使う素材として登録も終わっていたものでした。

気づけなかった理由

言い訳のようですが、気づきようがありませんでした。

「28枚生成しました」という報告は正しいのです。実際に28枚、処理は走っています。
出てきた絵も、ちゃんとした絵です。壊れてもいません。

新しいフォルダに、新しい日付で、28枚並んでいる。
見た目には、何も問題がありません。

中身が前回と同じだ、ということだけが分からない。

これは同じ型の事故の2回目でした。以前にも、別のテーマで同じことをやっています。
1回目のときに仕組みとして直していれば、2回目は起きませんでした。

直したこと

いまは、投入する前に指紋を照合するようにしました。

条件(何を描くか、どの数値から始めるか、どんな設定か)をひとまとめにして記録し、
過去に同じ組み合わせがあれば止まります。

大事にしたのは、正当な作り直しは通すことです。

指示の文面を書き直したなら、それは条件が変わったということなので、そのまま進みます。
止まるのは「何も変えずにもう一度」のときだけ。

同じものをもう一度作っても意味がない。
増やしたいなら、始まりの数値をずらして別の絵にする。そう選べるようにしました。

もっと怖かったのは、こちら

この件を調べている途中で、もっと嫌なものが見つかりました。

生成を担当している別のパソコンが止まっているときに仕事を投げると、
何も作られないまま、「完了」として記録されるというものです。

生成された枚数は 0。
それでも処理は「終わった」ことになり、済みのフォルダへ移動していきます。

エラーは出ません。止まっていたことは、どこにも残りません。

以来、投げる前に相手が生きているか直接確かめるようにしました。
そして完了の報告は、外から実物の枚数を数えるまで信じないことにしています。

ついでに見つかった、4週間の放置

同じ調査で、もうひとつ出てきました。

以前、生成した絵に鳥居が紛れ込む問題があり、原因も対策も分かっていました。
「地平線のある構図をやめる」というものです。

ところが、あるテーマの設定だけ、古い書き方のまま4週間残っていました。
「鳥居を出さないで」という、効かないどころか逆効果になる書き方です。

原因を突き止めたのに、直す場所を全部は直していなかった。

さらに、そのテーマには画面の縁を黒く落とす処理が入っていて、
その黒い余白が、また鳥居の座席になっていました。

余白が必要なら、あとの工程でつければいい。生成の段階で作る必要はありませんでした。

動いていることと、進んでいること

この一連で学んだのは、たぶんこれです。

装置が動いていることと、仕事が進んでいることは別。

処理は走る。数字は出る。ファイルは増える。報告は「完了」と言う。
それでも、中身は何も変わっていないことがある。

だから最後は、必ず自分で確かめます。

前と同じものではないか。本当に作られているか。直したはずの場所は、全部直っているか。

地味ですが、ここを飛ばすと、時間だけが静かに消えていきます。


※本記事は健康・医学的な効果を保証するものではなく、医療の代替となるものではありません。心身の不調がある場合は、医師などの専門家にご相談ください。