7.83Hz(シューマン共鳴)の1時間音源を8月に公開しました。公開した版は2つ目で、最初に作った版は、スマホで再生するとほぼ無音でした。何が起きていたのかを、測った数字で書きます。
そもそも7.83Hzは聞こえない
シューマン共鳴は、地表と電離層のあいだで、雷が起こす電磁波が共鳴する現象です。いちばん低い共鳴が約7.83Hzです。空気の振動(音)ではありません。そして人の耳が聞き取れる低い側の限界はおよそ20Hzなので、7.83Hzの音をそのまま鳴らしても、耳には聞こえません。
そこでこの音源では、7.83Hzを「高さ」ではなく「1秒に7.83回の脈」として音にしました。174Hzの低い持続音を土台にして、その音量を1秒に7.83回、ごく浅く強めたり弱めたりする設計です。
最初の版:音のほぼすべてが、小さなスピーカーの苦手な帯域にあった
土台にした音は174Hz、その下に87Hzと43.5Hz、上に261Hz(5度)。どれも低い音です。測ると、音のエネルギーの99.98%が400Hzより下にありました。400Hzから1,000Hzは0.009%、1,000Hzから4,000Hzは0.011%です。
スマホやノートPCの内蔵スピーカーは小さく、おおむね300Hzより低い音をほとんど出せません。この版は、ヘッドホンでは普通に鳴るのに、スマホでは鳴らす音がほとんど無い状態でした。7.83回の脈も同じ理由で届いていません。小さなスピーカーで聞こえる帯域だけを取り出して測ると、脈の深さは1%未満で、雑音と区別できない大きさでした。
前回の制作ノートでは、モニター内蔵スピーカーが高い音を出せず、耳の検査結果が8,000Hzになった話を書きました。こちらは低い側で同じことが起きていたわけです。
直し方:174Hzの「倍音」だけを足す
土台の高さは変えずに、174Hzのちょうど2倍から7倍の音(348、522、696、870、1,044、1,218Hz)を薄く足しました。整数倍の音(倍音)は、楽器の音にも必ず含まれている成分です。小さなスピーカーで174Hzそのものが出なくても、倍音の並びから、耳は基の高さを聞き取れます。そして7.83Hzの脈を、この倍音の層にも同じタイミングで載せました。
倍音を多くすると、スマホではよく聞こえますが、低い音が主役の性格が変わります。試作をいくつか聴き比べて、倍音は最小限にする案を選びました。

前後の数字
| 初版 | 公開版 | |
|---|---|---|
| 400Hz〜1,000Hz の割合 | 0.009% | 0.330% |
| 1,000Hz〜4,000Hz の割合 | 0.011% | 0.027% |
| 小さなスピーカーで聞こえる音の大きさ | 基準 | +9.9 dB |
| そこでの7.83Hzの脈の深さ | 1%未満(雑音と区別できない) | ±12.4%(2.2 dB の幅・7.83Hz) |
| 全体のラウドネス | どちらも -14.0 LUFS・ピーク -4.3 dBFS(全体の音量は変えていない) | |
倍音の層は、全体のパワーで見ると1%にも満たない量です。それでも小さなスピーカーで聞こえる音は約10dB大きくなり、脈は雑音の中から立ち上がりました。
この計測で分かっていないこと
- 「小さなスピーカーで聞こえる帯域」は、300Hzから700Hzにかけて立ち上がる重みで近似した簡易モデルです。実際のスマホの音をマイクで録って測ったものではありません。機種によって低い側の限界は違います。
- 測ったのはアップロード前のマスター音源で、YouTubeで再圧縮された後の音ではありません。
- 7.83Hzの脈が、聴く人にどう作用するかは、この記事では扱っていません。ここで確かめたのは「届いているかどうか」だけです。
聴く方へ
低い音が主役の音源は、スマホの内蔵スピーカーでは本来の音の大部分が鳴りません。ヘッドホンかイヤホン、または低音の出るスピーカーで聴いてください。自分の再生環境でどこまで低い音が出るかは、周波数ラボで20Hzから順に鳴らすと確かめられます。高い側は耳年齢テストで。シューマン共鳴そのものについてはこちらの記事にまとめています。
※本記事は健康・医学的な効果を保証するものではなく、医療の代替となるものではありません。心身の不調がある場合は、医師などの専門家にご相談ください。


