174Hzは、ソルフェジオ周波数と呼ばれる9つの音のうち、いちばん低い音です。私の音源では、眠りのための長い曲の「いちばん下の層」として使うことが多い音です。この記事では、174Hzという数字が音としてどういうものか、どこまでが伝承でどこからが研究か、そして自分の音源でどう使っているかを、分けて書きます。
まず、174Hzがどんな音か聴いてみませんか。 周波数ラボで174Hzを鳴らす(無料・登録不要)。ほかの8つの音との聴き比べもできます。
174Hzという音の正体(計算で分かること)
| 項目 | 174Hz |
|---|---|
| いちばん近いピアノの音 | ファ(F3・174.61Hz)より約6セント低い |
| 1回の振動にかかる時間 | 約5.75ミリ秒(1秒に174回) |
| 空気中の波長(20℃) | 約1.97メートル |
| 倍音(2倍・3倍) | 348Hz・522Hz |
| 可聴域の中での位置 | 低い音域 |
174Hzで気をつけているのは、スマートフォンの小さなスピーカーでは、この高さの音そのものがほとんど出ないことです。小型スピーカーは200Hzより下の音を再生する力が弱く、聞こえているのは174Hzの倍音(348Hz・522Hz…)であることが多くなります。174Hzの高さをそのまま聴きたいときは、ヘッドホンか、低音の出るスピーカーを使ってください。
ほかのソルフェジオ周波数との間隔
100セントが半音1つ分です。「ふつうの音階にない間隔」が多いことが、ソルフェジオ周波数の並びが独特に聞こえる理由のひとつです。
| 相手の音 | 間隔 | ふつうの音楽の音程でいうと |
|---|---|---|
| 285Hz | 854セント | 長6度より約46セント狭い |
| 396Hz | 1424セント | 1オクターブと224セント |
| 417Hz | 1513セント | 1オクターブと313セント |
| 528Hz | 1922セント | 1オクターブと722セント |
| 639Hz | 2252セント | 1オクターブと1052セント |
| 741Hz | 2508セント | 2オクターブと108セント |
| 852Hz | 2750セント | 2オクターブと350セント |
| 963Hz | 2962セント | 2オクターブと562セント |
「土台の音・安定の音」という呼び名はどこから来たか
174Hzは「土台の音・安定の音」と呼ばれます。この呼び名を含む「ソルフェジオ周波数」の体系が広く知られるようになったのは、1999年にアメリカで出版されたレナード・ホロウィッツの著書以降です。そこでは、ジョセフ・プレオという人物が旧約聖書の『民数記』の節番号に数の操作を加えて、396・417・528・639・741・852の6つの数を導いた、と説明されています(この経緯は提唱者側の説明で、独立した史料は見つかっていません)。174・285・963Hzは、のちに加えられた数です。
「中世のグレゴリオ聖歌で使われていた周波数」と語られることもありますが、中世にはヘルツという単位も、基準音の統一もありませんでした。グイド・ダレッツォの聖歌『ウト・クエアント・ラクシス』から生まれたのは、ド・レ・ミという音の呼び名(階名)であって、特定の周波数ではありません。「土台の音・安定の音」という意味づけも、音の物理的な性質から導かれたものではなく、この体系の中で与えられたものです。
研究の現状(2026年10月時点)
174Hzの音の効果を人で確かめた査読つきの研究は、見つかっていません。ソルフェジオ周波数の中で人での研究があるのは528Hzだけで、それも小規模なものです(528Hzの研究一覧)。この記事で「土台の音・安定の音」として紹介している内容は、伝承と、聴いた人の体験として語られているものです。
音楽を聴くこと自体が、眠りの主観的な質や不安に良い影響を与えるという研究は、周波数を問わず複数あります。けれど「どの周波数か」で差が出るかは、確かめられていません。
作り手としての使い方
眠りのための長い音源で、いちばん低い土台として使っています。174Hz・396Hz・432Hzを重ねた睡眠用の音源を作ったときの試行錯誤は、制作ノートに書きました。
公開中の自作音源のうち、174Hzを使っているものは26本(うち長尺14本・2026年10月時点)です。長いものから一部を挙げます。
- Ultimate Deep Sleep · 528 → 432 → 396 → 174 Hz Descent (8 Hours, Black Screen)(488分)
- Held by Ancient Cedars in Pre-Dawn Mist · 174Hz Sacred Forest(480分)
- 174Hz Deep Sleep 8 Hours · Black Tortoise of the North(480分)
- Great Buddha · 8 Hour Deep Sleep · 174Hz 🗿(478分)
- 174Hz Sleep Music(60分)
どの音源も、174Hzの純音をそのまま流しているわけではありません。倍音を含む音色で包み、ほかの層と重ねて、長く聴けるように作っています。周波数の数字を保ちながら聴きやすくする作業が、音源づくりの中心です。
聴くときの注意
- 音量は小さめから。高い音ほど、同じ音量でも耳に強く届きます。
- 純音は確かめるための音です。くつろぐために聴くなら、音楽として作られた音源のほうが向いています。
- この記事は、体や心への効果を約束するものではありません。体調に不安がある方は医師に相談してください。
よくある質問
174Hzはスマートフォンで聴こえますか?
音源としては聴こえますが、174Hzそのものは小型スピーカーではほとんど出ません。聞こえているのは主に倍音です。174Hzの高さを確かめたいときは、ヘッドホンで周波数ラボを使ってください。
174Hzと7.83Hz(シューマン共鳴)は関係がありますか?
ありません。7.83Hzは電磁的な現象で、音として聞こえる高さでもありません。174Hzは人の声の低い音域にある、ふつうの可聴音です。
眠るときに174Hzの純音だけを流してもいいですか?
純音を長時間流すのはおすすめしません。純音は耳が疲れやすく、音源の設計もそうなっていません。音楽として作られた曲のほうが向いています。
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※本記事は健康・医学的な効果を保証するものではなく、医療の代替となるものではありません。心身の不調がある場合は、医師などの専門家にご相談ください。


